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小説らしきもの9

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朝の5時から7時までの2時間。
それが私に与えられたシフトだった。
たったの2時間でもやる事はとても多い。
駅から1番近い事もあって、早朝と言えどもお客さんは多い。
朝の5時に仕事場についた途端
ひっきりなしに人がやってくる
駅の近くだからという訳でもないだろうが、
朝のレジは自動改札を通過するように行われる。

お店にやってきた人は目的の駅の切符を買うように、パンを買い、おにぎりを買い、コーヒーを買っていく。
新製品などに一瞬、目を奪われたりするが、早朝のコンビニでは迷っている暇はない。
躊躇しているとホームに電車がやってきてしまう。
結局、いつものパンとコーヒーに落ち着く。
いや、落ち着かざるを得ないのだ。
新製品は会社から帰ってきて、のんびりした気分の時に、成分表示なんかをじっくりと読んで
「なるほど、これは小麦からして違うのか・・・」とか
「463キロカロリー・・・意外とカロリーあるんだな」とか
考えながら、ひょいと買い物カゴに放り込んだり・・・

とにかく朝の慌ただしい時間には、目的地の切符を間違えずに買うように、正しい買い物が行われているのだ。


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小説らしきもの8 [小説らしきもの]

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高校生になったら、アルバイトをする。
受験に合格してから、すぐに私は近所でアルバイトを探した。
高校生にもできる仕事は限られていたが、逆に高校生のフレッシュさを求めている所は多いようだ。
私は自分が特にフレッシュだとは思っていなかったが、数件面接した先で
必ず「いやあ、高校生になるのかあ・・・。フレッシュでいいねえ。そういう人が居てくれると助かるんだよ」と言われた。
だから、多分、高校生は世間一般ではフレッシュということになっているらしい。
私も世間の期待に応えて、自分の中でも最高のフレッシュさで、ハキハキと返事をし、うなずいたりした。
その甲斐あってか、数件受けた面接にはどれも合格。
アルバイトを探して選んでもらう立場から、一転こちらがどのアルバイトを選ぶかという立場に。
結局、あまりに家に近すぎても気まずいし、
かと言って、遠すぎると通うのが大変なので
大きな公園の近くにある、家から徒歩10分くらいの所にあるコンビニで働くことにした。
私が希望したシフトは、平日の早朝、学校に行く前の2時間。
春から通う高校はバスで15分くらいの所で、コンビニのすぐ近くにあるバス停は高校直通のバスが通る。
その事も、決め手になった。


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小説らしきもの7 [小説らしきもの]

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私は4月から高校生になった。

「高校に行くかどうかは、あなた次第」と言っていた母だが、
私が結局高校に行くと決めた時、安堵にも似た喜びを表した。
その後の妙にテキパキとした進学準備の手続きやら、買い物やらを見ていると
母はやはり進学して欲しかったようだ。
しかし、以前私に向けて言った言葉にも偽りはなかったようだ。
たとえ家族と言えども、それぞれの考えを持っている。
親として、正しい方向へ
いや、自分が信じる正しい方向へ
子供を誘導する事は出来ても
決して無理強いはできないという思いがあったのだろうか。
何れにしても、今では簡単に結論を出さずに済んだことを感謝している。


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小説らしきもの6 [小説らしきもの]

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私の受験はそういう訳で、半ば乗せられた形で終わったのだ。
受験が終わり、何とか合格できたことを知ると、高校生活への希望に燃える・・・なんてことはなかったが、せっかくの受験が勿体ないと思われた。
何せ、他人と競って何かを得るなんて、今までなかった。
なるべく争いを避けて、争わないように気をつけていたし、
争ってまで、何かを得たいとも思わなかった。
兎にも角にも争いの末に合格という形として、その成果を手にしたのだ。
こうなると、高校に行きたいかどうかは問題ではない。
せっかく手にしたものを手放せるかどうかになった。
そりゃあこれから何年か、何十年かしたら、手にしたものを全く執着せずに、あっさり手放すことができるかもしれない。
でも、私はまだ14年しか生きていない。
元々ないものを無理に欲しがらずに我慢することは出来ても
すでに手にしたものを諦められるほど、人間ができていない。


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赤瀬川源平 [好きな作家]

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大学時代の私に大きな影響を与え、今でも自分の核にある作家といえば
赤瀬川源平だ。

ハイレッドセンターでやったという
世界がカニ缶に封入される展覧会。
偽札事件の時に、法廷で芸術活動を行い証拠として提出した事。
週刊朝日でやっていた桜画報

大学時代にやっていた事の核の部分には
赤瀬川源平の影響が常にあった。

粘っこい、丁寧すぎる文章も好きなのだが
世界の捉え方が大好きだ。
芸術家らしく、当たり前を常に疑って、裏返していく作業。
カニ缶の話などまさにそれだ。

缶詰はラベルの反対側が内側になる
それならばラベルを剥がして、中身を取り去り
ラベルを内側に貼って封入すれば
必然的にその反対側であるこの世界がカニ缶に
封入されてしまう。

こんな発想、なかなか思いつかないし
よしんば思いついたとしても、バカバカしくて普通は実行しない。


超芸術トマソン
世の中から捨てられた無用になった建造物
それに焦点を当てて、芸術と言ってしまう。
無用の用ではなく、無用の無用
わざわざそんなものに注目したって、意味はない。
意味はないけど、意味がある事だけが全てではない。

僕が大学生の頃から
約30年続けている芝居も
そんな発想が元にあるように思う。


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橋本治 [好きな作家]

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橋本治を初めて読んだのは、いつの頃だろう。
大学の近しい友達の間では
橋本治が考えの基本になっていたように思う。

大学1年か、2年のとき
ちょうど「パンセ」が出版された頃で
みんな夢中になって読んで
ああでもない、こうでもないと語り合っていた。


多分、今の自分の核になる部分には
確実に橋本治がいる。
ヤングサンデーに連載をしていたころからは
もう著作や考えを追うこともなくなってしまったが
いつの時代もあの頃の橋本治が
自分とともにあった。
誰かと会話している中で
「あ、いま、橋本治がいた」と自分の中に橋本治を発見することもよくある。
あの頃の橋本治は完全に僕の血肉になっている。



つい最近
20代の人と話している時に
橋本治の話題を出したが
全く誰なのか分からない様子だった。

そのことに多少なりともショックを受けて
このタイトルを書こうと思い立った。


当時は多くの人に薦めていた橋本治だが
今、お薦めできるのか、正直分からない。
さすがに時代と合わなくなっているような気もするので・・・
それに、自分の内側を覗き見られるような気がして
おいそれとお薦めすることができなくなっている。


それでも、1冊お薦めするとしたら
「恋愛論」をお薦めしたい。

「恋愛」について語っているのだが
「恋愛」だけのことを語っているようには思えない。
少なくとも僕は「恋愛」以外のことも当てはめて考えていた。
「桃尻娘」の話も出てくるので
併せて「桃尻娘」も読んでおくといいかもしれない。


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小説らしきもの アイデア [小説らしきもの]

昨日、ふと思いついて
サッとプロットをまとめて見たアイデアがある。

大学時代の自分の経験を下敷きにした青春小説
バンド活動を土台にして、その上に恋愛が乗ってくるみたいな感じ。

基本、現実に沿って話を作ります。
連続で書いていければ、どんどん書いていきますが
恐らく行き詰まる事もあると思います。

そんな時は、ちょっと休んで
エッセイみたいなものを書いたりして
ゆるい感じで書き続けようと思います。
推敲を頑張ると書く勢いが落ちそうなので
あまり推敲はせずに
初めての長編として書き上げていきます。

1週間以内に
最初の文章をここで発表できればと思っています。

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数学っていいなあ

数学って楽しい
そう思い始めたのは
浪人生活を2年送っている
その最中だったと思う。

最初はもちろん楽しくはなかった。
もちろんって書き方は過ぎた表現だが
少なくとも、小学校、中学校時代に
算数や数学が楽しいと思ったことはなかったように思う。

高校時代もさして
楽しいと思った記憶がない。

やはり、始まりは浪人時代であろう。

では、何故好きになったのか?
ひとつの要因としては
予備校の先生の影響ではないだろうか。


当時、僕は札幌の予備校に通っていた。
札幌には○々木ゼミナールと、札○予備校という二つの予備校がしのぎを削っていた。
僕は、兄が通っていた事もあり
札○予備校、通称、札予備に通っていた。

多分、今は河○塾に吸収されて無くなってちると思うが、
大手に負けずに割と盛況だったように思う。

噂では、○ゼミが札予備を潰しにかかって
有名講師を引き抜こうと、様々な工作があったと言われていた。

現代文の講師と数学の講師が特に有名で
授業はいつも満員になっていた。
実際、授業は面白く為になった。

今でも覚えていることが沢山ある。
現文講師が、文章がうまくなりたいなら
模写するのがおススメだという言葉を
今でも忘れていない。
たまに、好きな作家の文章を模写したりする。

そうそう
数学が好きになった時の話しでした。

もうひとりの有名講師の影響かもしれないなあと思うのです。
その講師はベクトルの解き方として
オリジナルの解法
UFOベクトルというのを開発していた。

その解き方がとても面白く
問題を解くことにハマっていた。
どのように解くかは、もう忘れてしまったが
問題を解く楽しみは
そこで植え付けられた。

大学に合格し、
親元を離れて
長野県は松本市に行った当初
知り合いもいなかったので
数学の問題集をやることで暇を潰していたことがあった。

そんな訳で
パズルを解くような感覚で
数学をやっていたのだ。
それが高じて
今や大学でやる数学の問題集を買ってきて
独学で勉強したり
数学の解説動画を見まくったりして
立派な趣味と言えるほどになっている


数学ってやればやるほど
ドラマがあり
ロマンがあり
面白いものだと思うのです。

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どちて坊や

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どちて坊やをご存知でしょうか?

僕の記憶だと
一休さんに出てきたキャラクターで
どんなことにも、「どちて(どうして)」と疑問を投げかけ、周りを困らせる子供だった。

具体的なストーリーやエピソードについては
全く覚えていないのだが
50歳を超えた今でも
僕の心の中にはいつでもどちて坊やがいる。

心に引っかかることがあると
その事について考え、「どうしてだろう?」と自問する。
そんな時はすぐに調べることはしない。
周りに友人がいれば、友人に問いかけたりもする。

調べれば、すぐに分かる事も多いだろう。
けれども、すぐに調べることはしない。
「どうして?」と考え、色々な可能性に思いを巡らせることが楽しいからだ。

僕の趣味のひとつは
数学の問題を解くこと
「どうして」このような解答になるのだろうかと考えを巡らせて理解していく過程が楽しいのだ。


と、ここまで書いて
自分の文章力がとてつもなく退化している事に気づいて
愕然としている。
しかし、これは「考え」と「文章」を繋ぐジョイントが錆びついているだけなんだと思う。
ブログを書きつづける事によって、徐々に油をさして
錆つきを直して行こうと思う。

最初の書き出しから、偉く脱線してしまった。
これも錆つきのひとつなのだろうと思う。
どちて坊やについては
いつか改めて書きたい。


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小説らしきもの5 [小説らしきもの]

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私は決して逃げるつもりで、高校には行かないと言い出した訳ではない。
しかし、母の言うように、どこかで隣の席に座っている友人達と競いたくないと思っていた。
私の心の奥を見透かされたようで、母の言葉を聞いた時は素直になれなかった。
すぐに返事をすることができずに、プイとその場を立ち去ってしまった。
だが、母の行動は素早かった。
高校に行くことは置いても、まずは受験の準備だけはしないとねと言って
母の職場のアルバイトの大学生を
美味しい手料理をエサに家庭教師として連れてきた。
肉親である母に対しては、邪険な態度をとれても
流石に見ず知らずの人に対しては、そんな訳にもいかない。
私は内心嫌がりながらも、週2回、勉強する羽目になってしまった。
最初はいやいやながらの勉強だった。
しかし、さすがは母の見込んだ人だ。
決して好きではない勉強が、その大学生とやっていると、ちょっと面白くなってきた。
そのうち、彼女が来る日が楽しみになってきた。


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